指導者としての心構え

少年コーチとしてのスタートは20歳の時であったが、私のスタンダードは小学校のときに教えてもらった先生方の指導方針がそれである。

厳しい練習であるとは感じたが、考えてみれば怒鳴られたり、叱られたり、罰則というものはなかった。

振り返って現在、自分も社会人でのミスは別として少年に対してどういう言動をしているかといえば、練習での態度は別として、そのプレイに対して叱ったりするようなことはない。
子供がどういうプレイをしたのかは見ればわかるし、練習時であればフリーズをしてその意図を聞くことができる。
そのプレイが正解かどうかというのは、その次のプレイに現れてくるのであるが、少なくとも「絶対に間違い」というものはなく、選択肢は多岐に渡るのである。

それを指導者の考えと違うからといって「違うだろ!」とか「なにやってんだよ!」「そこは○○にパスだろ!」などとやってしまっては、選手の選択肢を一つに絞ってしまう結果になりかねない。
選手の考えを聞き、それ以上に良い選択肢が本当になかったを考えさせ、より良いプレイに結び付けさせるのが指導者の役割であり、ベンチで恐い顔をしてにらんだり大声で怒鳴ったりするのが指導者ではないと思っている。

それぞれ指導者にも考えはあるだろうが、少なくともこれが高木と私の指導方針であり、決して「プロだけを育てる」サッカーをするつもりがない。
特に少年期においてサッカーを楽しいものだと思ってもらうことこそ重要であり、厳しい練習は必要だとしても、厳しい言葉や態度は必要がないと考えている。

実は社会人にも言えることだと思っているのだが、社会人においてはその練習や意図を伝えておいて、駄目なら公式戦であれば交代をしてもらうことになってしまう。
その点、北区リーグにおいては交替選手はある程度自由であるため、選手を試すにはもってこいの場所である。
新入団選手を試したり、伸び盛りの選手を試すこともできるわけで、ミスをしたとしても交代枠が比較的自由であるため、ある程度の冒険は可能なのである。

都リーグに臨むにあたり、北区も戦っていると言うのはそういう意味で非常にありがたいそんざいである。
だからといって北区を捨てるなどと言う考えは一切ない。

社会人チームにおいて監督の姿はさまざまであろうが、私のスタンスとしては考えだけを伝えて、そのプレイの正確さ、ミスのチェックをすることが主となっているのは事実である。
ここが少年との最大の違いであり、ある意味できあがっている選手をどうこうするなど、社会人にいたってはまず不可能であると考えている。

少年と違い移籍もかなり自由であるため、スタイルがあわなければ退団というのも比較的容易ではある。
だからこそ運営が難しいと言う側面もあるが、チームを活性化するためにはある程度の退団者はやむを得ないと割り切らねば、新陳代謝のあるチームにはならず、ただ年老いて解散となってしまうことは必至である。

NSPクラブは新陳代謝をしていくこともそうであるが、一生を通してスポーツに取り組むものを考えている。
トップチームでのプレイが難しくなれば、下部チームやシニアなどでの活躍ができるような仕組みを作っていかねばならない。
それによりトップが本当の意味でのトップチームとなれるよう、切磋琢磨できる環境にしなければならないわけであるが、そこまでどれくらいの時間がかかるだろう。
しかし努力を続けなければできないのもまた事実である。

ワールドカップ予選でバーレーンに敗退

マスコミの論調からは勝って当たり前なのにというものが見え隠れしている。

バーレーンに勝てる保証ってあるのか?と対戦相手が決まってから感じていたのであるが、やはりというかなんというかオマーンに敗退してしまった。
言ってみれば私は当たり前の敗戦だと思っている。

戦う姿勢が全く見えてこないチームなのである。

比較のしようがないが、ドーハ組は結局のところワールドカップへ行くことができなかったのに、勝とうとする姿勢が前面に押し出ていた。
これは精神面というかその時の選手の心情が左右するものだと思っているが、どうも最近の日本代表を見ているとまず戦うという姿勢が見えてこないのである。
テクニック的なものは1993年当時の日本代表よりもはるかに上であると思うのだが、最近の風潮なのか勝利に対しての執着心が見えてこないのである。

ウエンブリーで柱谷哲二が手を出してゴールを防いだことがあったが、誉めることのできないプレーではあるが、その心は汲み取ることができるであろう。
で・・・今の代表はと振り返ってみれば、先日の東アジア選手権において鈴木が首を絞められたとき、誰か行ったか?
絶対に勝とうとする北朝鮮や中国みたいな姿勢がみられたか?

はっきり今の日本はそういう意味で弱体化してしまったのではないかと考えている。
それは日本サッカーのという問題ではないかもしれない。

とにかくワールドカップ予選はまだ先がある。
勝つ姿勢を見せてくれる稲本、中田、中村俊輔などを入れて、絶対に勝つと心に決めてほしい。
こんな日本代表の試合なんざ見たくもない。

指導者講習会の結果

本日東京都社会人サッカー連盟からなにやらA4大の封筒に段ボール紙が入ったようなやつが届いていた。
練習試合が終わりいろいろ悩んでいたのであるが、中身を見てとりあえず笑顔がでた。

C級指導者の終了証(つまりは合格)兼体育協会の指導員資格受講者の証であったのだ。
みんな「届いてないよぉ?」とメールで交換し合っていたのであるが、ようやく合格証がとどいたということで、他の受講生がどうなったかが気になっている次第。
全員合格できたかな?と。

19日にはみんなで集まってわいわいやろうなどといっているのであるが、やはりみんな合格をぶらさげて会いたいものだと思っている。
無論当日来られないかもしれないじんちゃんやヤナギも合格していることを祈っている。

ということでNSPクラブとしては、高木と私、そしてアシスタントでスクールに入ってもらっている雲田コーチ、今後ぜひ来ていただきたい横塚コーチとC級取得者が増えることになる。
今後も指導者を育てることも踏まえ、サッカーの裾野を広げたいと思う。