NSP CLUBとしての育成というものを文字にしてみます。
前提としてU-12カテゴリは4年~6年をベースとして考えています。
試合結果に一喜一憂するのではなく、選手個々が考えて結果を出すことができる、そういう選手を育てることを考えています。
公式戦や練習試合で見られる光景ですが、コーチがあれやれ、これやれと指示を細かく出し、果てにはシュートのタイミングまで・・・こういうものはいかがでしょうか。
私たちは、そうではなく練習や試合を通して「教えすぎる」のではなく、基礎は教えることはあっても、サッカーそのものを教えるということはしません。
小学校6年生になるまでに
・自分で考えるて主体的に動くことができる
・自分が組織に対して何が提供できるかを考え実行する
ということを目標にしています。
つまりは社会人と変わらない部分を選手たちに考え、実行するように対話をしながら目指してみようとしています。
ですから短期的に小学校3~4年生の時には結果がついてこないように感じられますが、次第にこれらは主体的に動くことができるようになると、運動能力は別として、差は小さくなってきます。
そのため、私たちクラブの公式戦時のベンチは、他チームに比べてコーチの声が「応援」に聞こえているため、もしかしたら保護者や他のチームの保護者の方々からは物足りないと思われるかもしれませんが、試合は選手たちの表現の場であって、コーチの自己満足で行われるものではないのでそのようにしています。
特に私たちの(というか工藤がベンチにいるとき)声は
・ゴールをした時の喜び&選手へのお礼
・良いプレーをした選手への声かけ
・失敗や選択が違うと思った時の「なぜ?」という問いかけ
が大きく聞こえると思います。
確かに小学生年代では完全に教え込んでしまって、攻撃や守備のパターンまでをも教えて、繰り返すことで強くなるのは理解できますが、それでは将来的に主体的にサッカーへ取り組む際(U-15以降)に戸惑ってしまう選手が多くなってしまいますが、私たちは将来的に社会人までをも見据えた主体的に何かを行うベースを作ろうとしています。
だからこそ、クラブのウェブサイトに『体力向上はもちろん、協調性や責任感、そして目標にアプローチして最後までやり遂げる力を育みます。』と記載しています。
コーチとしては、特にクラブチームとしては勝利という結果がアピールしやすいのですが、私たちは勝利は目指すけれども勝利だけを目指すことはしないと定めています。
それは社会に出てみればわかりますが、リソースが決まっている中でどのように工夫して結果を出すかが重要なのであって、ありあまるリソースを持っているわけではないこと、トップダウンの組織では個々の工夫が生まれないことなど、そういったことが小学生年代から必要と考えるからこそ気長な育成をしていると理解しています。
本音を言うとものすごく大変ではありますが、クラブという小さな枠組みで考えていませんし、NSP CLUBとしては地域社会への貢献を今後行っていくという目標がありますので、好奇心旺盛で主体的な人を育てるためにスタッフと一緒に努力していかなければなりません。
スクールという形でかかわらせていただいた選手たちが、中学年代で悩んだことを知っています。
それは小学生年代で主体的な考え方をサッカーを通じて持てなかったことが原因で、彼らは一度回帰しました。
リスタートした彼らは、地元に戻りそして主体的に動いた結果、クラブユースではなく中体連でしたが良い成績を残すことができたのを覚えています。
その際、私たちが彼らに伝えたのは「主体性」であったのは間違いありません。
※スクールの中で伝えてはいましたが、所属チームではそうではなかったため