『少年サッカー界が抱える審判問題(寄稿)』への審判からの反論(2)

『少年サッカー界が抱える審判問題(寄稿)』への審判からの反論の続きです。

少年サッカー界が抱える審判問題(寄稿) マイボ 2016/06月20日(月)
こちらの寄稿文に関しての審判としての反論です。

第一回は反論というよりはコーチの問題を出してみましたが、今回は審判の組織がどうなっているのかということと、指導者がそこにどういうアプローチをしているのかということです。

ここでは東京都少年サッカー連盟を例をだします。

東京都の場合は16ブロックに分かれており、その運営はそれぞれ所属する市区連盟のチームから役員が出て運営されています。

審判はといえば、市区連盟の審判部や審判委員会と、ブロックの審判委員会が設けられており、そこが東京都少年サッカー連盟の審判委員会へとつながる形になっています。

一般に市区連盟の審判員は、少年の場合お父さん審判となります。

市区連盟の割当や、東京都サッカー協会からの割当というのは市区連盟ではあまりなく、トレセンなどになってはじめて市区連盟から帯同として審判が付くのが一般的です。

つまり、市区連盟のお父さん審判であったり、そこに協力している審判に対して、件のコーチはまずクレームをつけているわけですが、ここに市区連盟の審判部がかかわらない、もしくはかかわりにくい現状があります。

一つは、東京都サッカー協会の下部組織に所属していないことが挙げられます。

前にも紹介しましたが、東京都サッカー協会の傘下として東京都少年サッカー連盟があり、16ブロックにわかれているところまでは東京都サッカー協会が管轄していることになります。

しかしながら、市区連盟はそれぞれの市区が独自に運営しており、多くが任意団体であったりするわけで、運営を無償ボランティアでおこなっているところがほとんどです。

その中で、私のような審判でやってきた者が審判部の役員としてインストラクターとなり、市区連盟の審判を見ることになります。

ちなみに私は東京都サッカー協会所属の審判インストラクターであり、市区連盟所属ではありませんが、私の場合は市区連盟推薦という立場でお世話になっています。

ですから、その市区連盟に所属するインストラクターがどのようにして動いているかというのが重要ですが、もうひとつ問題があります。

それは、社会人連盟と少年連盟が分裂していることが多いというものです。

東京都サッカー協会所属のインストラクターで市区連盟推薦に限ってですが、出身母体を聞くと「○○区社会人連盟」「××区少年連盟」などと分かれていることが多く、社会人所属の方はその市区の少年を知りませんし、逆もまた知らないことが多くあります。

そこで審判部内部の連携を取ることができず、苦労して審判だけでも連携しようとしているところもあります。

そうして、市区連盟に所属しているチームの市区大会などを見させていただき、審判にアドバイスをさせていただく機会をもうけさせていただくのです。

最初から素晴らしい審判などいないわけですが、それを少しでも良いものにするために、インストラクターだけではなく、市区連盟は考えています。

その上に少年ですとブロックがありますが、こちらのブロックの役員の方も多くが東京都サッカー協会で活躍されていた、されている審判の方々が所属しています。

そして、ブロック大会などに積極的に参加をして大会の反省などのなかに審判を入れていることもあります。

さらに上の東京都というくくりになると、私達アクティブレフェリーが必要とされる大会がでてきたりしますが、ここで審判ができるレベルの方をスカウトして、東京都サッカー協会所属のアクティブレフェリーなどに推薦をするわけです。

アクティブレフェリーに触れますが、少なくとも年に一回のフィジカルテスト、年三回の筆記テストがあり、筆記テストと合わせて競技規則の伝達講習会や、開幕前の規則講習会などが行われます。

そうやって審判の質を上げるために東京都サッカー協会は努力をしていますが、全てのアクティブレフェリーがパーフェクトではありませんが、少なくとも一定の基準を満たした東京都サッカー協会からの派遣審判員ということになります。

S3級アクティブの場合は主に
≪主審≫
●東京都チャンピョンシップ(東京カップ)一次戦
●東京都民大会(成人)
●市区町大会
●東京都大学サッカー連盟 三部、四部
●東京都大学サッカー連盟新人戦
●高円宮杯 U-18 T-3
●高円宮杯 U-15 全都
≪副審≫
●東京都チャンピョンシップ(東京カップ)一次戦、二次戦
●東京都社会人一部、二部
●東京都民大会(成人)
●東京都大学サッカー連盟 一部
●高円宮杯 U-18 T-1
●高円宮杯 U-15 トップ
というのがあり、それ以外には関東社会人、U-18、U-15などがあります。

そこに派遣できるかというのを審判部が判断をして、レベル分けをしたうえで派遣されています。

ですから、この審判はできると思われたからこそ、そこで審判をしていることになります。

しかしながら、市区連盟管轄の試合やブロック管轄の試合では、こうしたレフェリーに依頼することができないため、それぞれの場所で審判に取り組まなければなりません。

その事実を踏まえたうえで、寄稿した方は考えて書かれているのか?と思うわけです。

やはり長いので(3)に続きます。

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