タグ: 高円宮杯

高校選手権の弊害

今年も高校選手権が終わりました。

前橋育英高校の初優勝で幕を閉じた決勝戦は、攻守の切り替えが早いスリリングな展開と書いているメディアもありました。

しかし、本当にそうだったのだろうかと、改めて昨日の試合を見てそう思った。

中盤を省略した展開、高めのディフェンスの位置と素早いクリア、深めで追い込まれたら闇雲なクリア…

言い方を変えれば素早い展開かもしれませんが、これでは普段私が嫌いな言葉を敢えて使いますが「世界に通用する選手を排出量できるの?」と少なくとも私はそう感じました。

はっきり書きますが、プリンス・プレミアリーグの方がおもしろいですし、レベルも高いわけで、そろそろ高校選手権のトーナメント方式をやめる時期ではないかと思うのです。

その一つに過密日程があるわけですが(同じ理由で甲子園も考え直した方がいい)、才能のある選手がここでつぶれてしまう可能性もあるわけです。

準決勝、決勝を見ていて、あまりのスライディングの多さ、リスクを簡単に避けるだけのクリア、これらが多いために試合はつまらないと感じました。

また、寄せが速いと言うよりは無謀な競り合いとも取ることのできるものをみせられて、とてもではありませんが、私が育成に関わっている選手たちには見せたくない質のものでした。

ただトーナメントを勝ち上がるだけのサッカーは見ていてつまらないものであり、関東ユースや高円宮リーグの上位の方がゲームとしては面白いかもしれません。

…と、例としては極端かもしれませんが、プリンスリーグの前橋育英、青森山田、流通経済大学柏を見ていてそう思うわけです。

高校年代の日本一は、高円宮杯であるのは間違いがないと本気でそう思うわけです。

そろそろ高校選手権を見直しませんか?

全日本クラブユースU-18編

クラブユースU-18は、関東プリンス所属の横浜Fマリノスの優勝でした。

関東予選グループステージで、プリンスプレミア所属のFC東京に3点リードされながらも土壇場で追いついたのは実力だったと改めて理解しました。

しかし、昨年プリンスプレミアで最下位に沈み、関東プリンスで闘っている三菱養和が優勝したことを思うと、ノックアウトとはいえユースのレベルは大きく差があるわけではない証明なのだと思っています。

審判としてこういう年代の選手の試合を担当させてもらうことがあります。
もしかしたらこの中から将来の日本代表がでるかもしれないという顔ぶれの試合を間近で見られるのはたいへんな幸せです。

柏レイソルU-18からハンブルガーSVに移籍した(最初はU-19ですが)伊藤達哉なんかは、彼が中学二年の三菱養和カップで審判をしたときに会っていますし(ブルーファイターズ時代ももちろん)、こういう選手たちと同じフィールドにまだ立たせて貰っているのは、審判員としてありがたいと感じています。

そのかわりフィジカルを整え、ルールを学び絶えず準備をしていますが^^;

選手時代はフィジカルの優位だけで、練習嫌いだった私からは信じられないトレーニングをしています(笑)

でも、こうした高いレベルの選手とやることが楽しいとも思っていません。
Tリーグの下位であっても真剣勝負をやっている場の審判は、本気で彼らと向かい合い、学生の審判とも話し合いチームを作るのも喜びです。

大学リーグの下部であっても、真剣な選手はいっぱいいますので、手を抜くなんてことは考えられないわけです。

この足が続く限り(彼らに置いて行かれない限り(笑))、彼らの真剣勝負の場を見届けていたいと思います。