たった一本の線

先日、社会人の試合を担当させていただいたのですが、副審の一人が見慣れないスプレー缶を出して「よろしければ使って下さい」と言ったのです。

サッカーのレフェリーであればピンとくる、あの「バニシングスプレー」でした。

バニシングスプレー

直接ゴールが狙える距離からのフリーキックで、セレモニーの必要があるときのみの利用になるのですが、初めて使ってみた感想としては「これは使える!」というものでした。

それがタイトルの「一本の線」というわけです。

利用イメージ

上の写真のように線を引いていくのですが、一つ目はボールの位置が特定されること、そして次に9.15mの距離に線を引くわけですが、この一本の線を守備側競技者は越えることができなくなってしまいます。

たった一本の白い線なのですが、見事なまでに壁として役に立つのです。

いちいちフリーキックごとに行く必要がないわけで、セレモニーが必要なフリーキックの場合に、この一本の線をめんどうに思う主審はどうかしているんじゃないか?と思えるほどに有用に感じました。

バニシングスプレーでは問題が発生しましたが、解禁されたそうなのでそろそろ出回ってくるようです。

高校サッカー選手権決勝でいろいろ思ったこと

第94回高校サッカー選手権は東福岡の優勝で幕を閉じました。

國學院久我山は強豪を相手に備えて臨んではいましたが、結果は残念ながら0-5での敗退となりました。
私はこの結果を点差そのままの力だと思ってはいません。

しかし、後半直後のあのトリッキーなFKからのゴールで、國學院久我山はその後主導権を握り損ねたのだと感じています。

当クラブサッカースクールとしては、所属していた澁谷雅也くんを応援していましたし、名倉君は地元葛飾のリーズ出身、小林君は関係のある南千住広場サッカークラブ出身と國學院久我山を押していました。

しかし、東福岡のキャプテンは澁谷君と名倉君に前を向かせてドリブルさせない、サイドバックが上がった裏をつくという戦術を見事に実行し一点目を奪っています。
(それで、ミスをした小林君が交代することになりますが)

成太曰わく「全国から選手を集めているチームとそうではないチームの地力」という表現をしましたが、まさしくそういう違いも見られました。

ですが逆説的に言えば、呼び集めていないチーム、練習や遠征に縛りのある進学校であろうと、結果を残すことができるのだということを表現してくれたのだと思います。

もう一つはサッカーがフィジカルだけで勝負がつくわけではないというのを証明してくれました。

エースとしてはたぶん一番小さいであろう澁谷雅也くんを、対戦チームは脅威と見なしてマークしたわけですし、もしかしたら平均身長も一番低かったかもしれない中で、フィジカルで選手をかき集めているようなチームを打ち負かしたことは、高校サッカー選手権の中でどんなチームにもチャンスはあると示してくれたのだと思っています。

来年が最終学年となる澁谷雅也くん、名倉巧くんら二年生が、来年もう一度旋風を起こしてくれることを願っています。

それまでは、東京都の割当をこなして、情報を入れながら楽しみに待っていたいと思います。

レフェリーへの手伝い

先日ある少年サッカーのカテゴリについてきいたことがあります。

主審担当がだらしがない(服装、ジャッジの基準)、走らないで真ん中でジャッジしている・・・などなど、少年サッカーのレフェリーにそういう人がいるのだとあらためて気づかされました。

しかし、実際は無償ボランティアであったり、お父さんコーチ・審判であったり、その目標やレベルにばらつきがあるというのもまた事実であり、東京都サッカー協会所属のアクティブレフェリーで長年より良いゲームレベルを目指している人たちと違うというのもまた本当でしょう。

ただし、そういう審判であってもできることはしていただきたいわけですが、簡単になおすことのできる・・・例えば服装や毅然とした態度など・・・部分についてはぜひやっていただきたいと思います。

工藤は現在レフェリーインストラクターを目指しており、今後はそういう無償ボランティアやお父さん審判に少しでも良い試合のための準備ができるようなことが伝えられればと考えています。