育成年代でコーチの言葉はどう響くか

審判で、観戦者としていろいろなカテゴリ、試合を見ているのですが、まだまだ育成年代のコーチの言葉が乱暴だと感じることが多くあります。

鼓舞しているという方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら端から聞いているとそうは聞こえないなんてことも多く、自分だったらもしかしたらめげていたのではないかなどと考えてみたりもします。

私が学んだコーチたちは練習では厳しいことが多いように感じました。

練習の時にさまざまな問題をつぶすことを重要視していたため、試合では全くと言っていいほど怒鳴るとか、文句を言うとかはありませんでした。

交代後にコーチの前に立たされて説教なんてことは全くありませんでしたが、ミスを繰り返した時などにはあっさりと変えられるので、自分が気が付かなければ次の機会はなかったように感じました。

試合後のミーティングでは場合分けによったコーチングがされるわけですが、例えば得点を取られたシーンの再現を作戦ボードで再現しながら、その時の選手の気持ちであったり、フォーメーションによる気づきがあるようにコーチングをしていました。

それもこれも今自分がわかるから気が付くことなのですが、自分が育成年代の時には全く気が付かなかったわけです。

しかもぴったり私の育成年代にかかわっていたコーチすべてが同じような方だったのは、それぞれ札幌や北海道、JSL経験のあるコーチでプロフェッショナルの方がかかわっていたからなのだと思っています。

自分はレフェリーのミスジャッジには結構厳しかったりしますが(競技規則を知らないということに対して)、判断ミスなどに対しては言いませんし、なにより競技者に対しては問いかけはしてもクレームをつけるようなことはありません。

それは自分がしていただいたことへの感謝からです。

こうしたコーチが増えてほしいものだと切に願っています。

アクティブレフェリー頑張っています

審判以外のみなさん、こちらの写真を見てください。

この写真はなにかと言うと、これからクーパー走(12分間ひたすら走って距離を測る)のために準備をしている審判員です。

東京都の200名ほどのアクティブレフェリーの約1/4が昨日計測に臨みました。

これからのシーズン(実際にはTリーグなどはシーズンが始まっていますが)、その審判員がどのレベルを担当するのか振り分けられる可能性のある距離ですので、みんな真剣に走るわけです。

しかも一回勝負。

四回走るチャンスはあるのですが、一度しか計測できないため一回勝負なのです。

私は日曜日に怪我をしたにもかかわらず走るのは、ここで走ったという結果を出さないと、東京都サッカー協会より審判の割当をもらえなくなるからで、しかも四回のチャンスの最終回だったからなのです。

4月には競技規則の研修会がありますし、こうやって審判員は努力をして、結果を出して割当を受ける準備をするのです。

こういう裏の努力を知っていただいて、試合の時に割当で行っている審判をリスペクトしてもらえればと思います。

ん?工藤がシニアの選手としてどうかって?

リスペクトしているに決まっているじゃないですか。

IFABからの競技規則変更部分一部公開

日本では翻訳されたものが今後公開されるでしょうが、その前に気になったことなどをメモしておきます。

■模様入りアンダーシャツが許可
模様入りはいいんだけれど、シャツの主たる色なり袖の主たる色から逸脱した場合や、チームで揃えるなどとなっていないと審判としてはつらいのではないかと感じます。

■ゴールキーパーのスローイングが直接相手ゴールに入った場合には、相手チームのゴールキックで再開
これはインプレー中であるにも関わらず、ゴールキーパーのスローイングのみ相手チームのゴールキックというのは解せません。
もしかしたらこれを読んだ人の誤解とかってことはないかしら?とか思ったりもしますが・・・

■ゴールパフォーマンスでユニフォームを脱ぐなどし、ゴールが取り消されてもイエローカードは提示されたままとなる
これは喜びの表現としてユニフォームを脱いだり、頭にかぶったりすることは、入っても入らなくてもイエローカードだってのは納得できます。

■フリーキックの際、攻撃側競技者が守備側の壁に入るのを禁止
これも解せないんですよね。
スピードアップのためとか、守備側の混乱を避けるためとかあるのですが、そもそもFIFAなどはゴールシーンを増やしたいはずなのに、これはどうも逆を行っているような気がしてなりません。

4年前の東福岡vs国学院久我山で、東福岡がやったトリッキーなフリーキックは、壁の1m前までで止まらなければならないということになり、審判の判断がまた変わるということになります。

ここ数年のIFABからでてくる競技規則について、やはり疑問に思うことが前よりも増えたような感じです。

まして日本語の競技規則は誤訳や意訳が含まれてしまったり、表現が難しかったりするので、きちんと理解するためには英語との対訳版を買って対処することにしました。

で、よく読んでみると表現が違っていたりするので「どちらが正しい解釈なのだろう」と審判やインストラクター仲間で議論をしたり、翻訳チームの方と話をしたりといろいろと話をするようになりました。

その意味ではいいことなのかもしれませんが、現場の審判が混乱することだけは避けてほしいですね。

ハンドリングのファウルについてのグレーゾーンについても出たようですが、いろいろと明記してもグレーゾーンはやはり残るようで、最終的には現場に委ねられる部分があるのは間違いがなさそうです。

こちは機会があればエントリーしたいと思います。