カテゴリー: 少年コーチのつぶやき

試合中に失敗を責めて怒鳴るコーチはアマチュア?

サッカーの審判で、コーチでいろいろなところにお邪魔させていただきますが、タイトルのようにゲーム中の失敗を責めて怒鳴るコーチはまだまだたくさんいらっしゃいます。

日本サッカー協会のライセンスを受講した方であれば、それがやっていいことなのかどうかは教えられますのでよくわかっていると思います。

しかし、現実としてはS級だろうとA級だろうとなんだろうと、失敗を責めて怒鳴るコーチは実際にいます。

たとえプロの選手を育成する場所であろうとなんだろうと、私はゲームは選手のものであるためその失敗を直接的にその事象だけを叱ったり怒鳴ったりすることはありません。

あくまでもそれがどうして起こったのか考えるような問いかけはしますが、自分の結論を押し付けて「ふざけんじゃないよ」といったような発言は、若い頃からもありませんでした。

それはプロフェッショナルに「指導すること」をしていた恩師がいたからで、二十歳でコーチをはじめた時に私の言動を厳しく注意し、見守り、問いかけていただいた方がいたからです。

私は練習中はそれはそれは厳しいです。

繰り返しの練習で合ったり、基礎練習でただのミスならいいのですが、集中力を欠いていたり、ふざけていたり、仲間を尊重しないようなことがあった時にはそれこそ「叱り」ます。

しかし自分の機嫌で怒ったりはしません。

その根底にあるのは恩師のプロフェッショナルな姿勢であり(実際小学校の教員としてもたいへんに優秀な方でした)、選手の考えを尊重し見守る、そして考えさせるコーチングがあったからであり、それを自分が少年選手であった時にそうされたことが自分の基礎になっているのは間違いがありません。

たまに高校や大学などでも失敗を責めあげつらう監督やコーチもみかけますが、自分であったならやる気がでただろうか?などと気になります。

私たちはなるべく早いうちにNSP CLUBとして教えることについてプロフェッショナルなコーチを揃えて、少年選手たちに楽しいサッカーを提供できる環境をつくるため努力していきます。

皆様に一日でもはやく報告できるよう、代表だけではなくスタッフ全員で現在取り組んでおりますので、少々お待ちください。

もちろん髙木も現場に立つ予定でおりますので、よろしくお願いいたします。

少年サッカー移籍問題(3)

FootballEDGEさんが【少年サッカー移籍問題3】日本中から届いた保護者、指導者の叫び。子どもたちの環境を良くするにはどうすればいい?というエントリーをあげています。

地域の指導者の皆さんからの意見も先日からいっぱいいただいていますので、最後で紹介します。

さて、FootballEDGEさんの記事を(勝手に)受けて(笑)書いている第三弾ですが、FootballEDGEさんの3回目には指導者の意見も載っていました。

例えば「チームのつまみぐい状態」・・・つまりは選手も、コーチも双方につまみぐいをするということなのではないかと思うわけです。

選手の側からしたら、次々とチームを変えていって、チーム側として育成などというスタンスで見ることができないということがあります。

チームの側からしたら、他のチームの優秀な選手をスカウトしてきてより強いチームを作ろうとするという意味があると思います。

双方とも問題があると思いますが、それと選手の移籍の自由を奪うことというのは違うことだと考えます。

FootbakkEDGEさんも書いていますが、まずは選手の移籍の自由を認めることが先だと思います。

その上で、チームを守ることが必要だと感じています。

方策はいくつかあるので書いていきます。

●選手一人あたりの公認コーチ数を設けることです。
とにかく強いチームにしたいというチームがあるとして、何十人もかかえてしまうようなチームがあります。
その制約の一つとして公認コーチ数、場合によってはC級以上でカウントするのもありだと思っています。

●一チームのコーチ数の制限
これは上とセットなのですが、一チームの一学年に50人とかいたとしても、結果としてトップの活動ができるのはわずかでしかありませんので、その制約を設けることです。

●選手の年間移籍「受け入れ」数を制限する
強豪チームの多くは、選手をスカウトしてくるのが一般的です。
そのため誰でも彼でも受け入れるようにするのではなく、年間例えば5~8人までという制約を設けることでチーム側も「本当にいいと思った選手」しか呼ぶことができないようになります。

●合同チームを認める
葛飾区でいいなあと思ったのは、新規チームにおいて人数が少ない場合、教育リーグなどに別のチームと合同で参加できることでした。
少ないチームの同じ学年で組むことができるようにすることで、チームを守ることができると考えられます。

ざっと考えるだけでもこれくらいあります。

前に実際にあった話で本来はJリーグ下部ですから育成を真剣に考えなくてはならないはずなのに、5年生を地域のチームからごっそり入れて、スタメンをすべて入れ替えたようなことがありました。

こういう強豪と呼ばれるようなチームの横暴は許されることではありません。

極論、チームを22名で区切って別チームとして登録を義務付けるなどというのもありかもしれません。

小学生年代もリーグ戦となり、それぞれのレベルに応じた試合ができるようになってきていますので、そのレベルに合わせたチーム編成などができますし、指導者も増やさなければならないのでチーム運営もしっかりしなければなりません。

もっとゆるいものにしてよ!というのであれば、連盟や協会に登録せずに、公式戦をしないで育成することだって可能です。

私もFootballEDGEさんと同様に、まずは選手の移籍を自由にして、それからチームの保護をするべきだと思っています。
内容に関しては別のことがあるかもしれませんが・・・

さて、地域のサッカー関係者などと先日来、この問題について話をしたりすることがあります。

ある方は「よく言ってくれた」、ある方は「クラブを守れないじゃない」と言います。

しかし、私は双方ともにもろ手を挙げて賛成できません。

確かに子供を人質にとられて何も言えないチーム関係者に同情はしますが、そこで覚悟を持って戦おうとする人が少ないと感じます。
(決して今のチームをやめて、私のようにやってくださいということではありません)

少しでも市区連盟の風通しを良くするようにみんなで団結するなどできることは中にいてもあるはずです。

そういうことをしていただきたいと思います。

そして、クラブの利益と保護を考える方にですが、魅力のないクラブは淘汰されるべきだと思っています。

どうやってそのクラブの魅力を知ってもらうのかなどというのを考えなければなりません。

強豪クラブばかりがサッカークラブではないというのを知ってもらう必要もありますし、たとえ強豪であっても選手を使い捨てのように考えていたり、自分の意見だけを押し通してイスでふんぞりかえって怒鳴り散らすような監督・コーチのいるクラブで、育成さえさせてもらえないようなところに行く必要がありますか?と問いかけることも必要です。

私が所属をしているFC台東 U-15は中学年代の公式戦では輝かしい戦績を残してはいません。

ですが、三年間スタッフが育成を考えているおかげで、高校年代で花が咲き次のステップにいく選手というのがでています。

それもクラブの一つの魅力ですから、積極的にアピールすべきだと考えます。

いろいろな意見があると思いますので、ぜひ地域で話し合いをしてほしいと願っています。

そして東京都少年サッカー連盟は、こうした選手たちの声、保護者の声をもっと聴いてほしいと思います。

直接話ができるのはクラブですから、クラブの都合の良いことしかきこえていないんじゃないかとさえ思っています。

ぜひ選手たちのためにも良い環境を作っていただきたく思います。

少年サッカー移籍問題(2)

昨日の、少年サッカー移籍問題についてとその他の問題点の続きです。

【元ネタ】
【少年サッカー移籍問題】大人の都合で理不尽なローカルルールが横行。サッカーをする場を奪われる子どもたち(1)
【少年サッカー移籍問題2】子どもが「移籍したい」と言うのは、そのチームに魅力がないということ【久保田コラム】

—–(1)の引用「サッカーコンサルタントの幸野健一さん」のFacebookより—–
日本サッカー協会もリーグ戦化を進めていますが、真のリーグ戦を実現するには、移籍の自由がセットでなくちゃいけないんです。リーグ戦化が進めばヒエラルキーができるわけだから、その時選手は自分の実力にあったクラブを選びたくなるはずです。その時に躊躇なく自分に合ったクラブに移籍できるべきです。

調べれば調べるほど日本中にひどい状況があるんだなって、痛感しています。
—–引用終わり—–

チームの移籍というのは自由であるべきです。
例外としては社会人などにおいて、移籍シーズンが定められている場合を除いてです。
・全国社会人トーナメントや地域決勝大会に、いきなりJリーガーが移籍して参加するのはいかがか
・東京都でも東京カップのようなシーズン初めのようなものはきちんと移籍期間が決まっている

特に少年においてはその個々のレベルやスキル、望むものによって変わってくるべきだと思いますし、決して「上にいく」だけではないと感じます。

試合にでたいから出られるチームにレベルを落とす場合もあるでしょうし、逆にもっとうまくなりたいからと、強いチームにチャレンジすることもあるでしょう。
そのどちらも結局は今いるチームでは「できないこと」だと思っているからこそ移籍を選択するのです。

そして、実際に聞くのは「いじめ」の問題でもあります。

いじめられているから他のチームに移籍をしたいという相談を受けたこともありますし、どう打破したらよいのか相談を受けたこともあります。

私は監督やコーチと相談をするとともに、移籍も視野に入れた方がいいとお話をします。

しかし、保護者が監督やコーチに相談をすると「移籍は認めない」「退部をしたとしても他のチームへの移籍届けにサインはしない」などというもので、チームに残れというものがありました。

ではいじめを根本的になくしてくれるのですか?と尋ねると、それは子供たちのことだから注意はするが我々には感知できないというものでした。

過去にいじめの相談をしているにも関わらず、そういう回答だった監督やコーチもいるそうですから、当然ながらそのいじめが終わるはずもありません。

最終的に私の知り合いのお子さんは、東京都少年サッカー連盟の役員の方の仲裁を経て移籍手続きを取ることができましたが、その際にブロック連盟の役員から「上を使って脅しをかけた」のような言い方をされたそうです。

そういえば、私たちのチームを市区連盟に登録させないようにしようと画策したので、東京都少年サッカー連盟の役員の方にブロック連盟へなぜ認めないのか質問をした際に、市区連盟に当然ながらブロックの会長から連絡がいったわけですが、それも脅しだと受け取られたそうですが、そもそも自分たちの既得権を必死に守ることしか考えていないからそういう言葉がでるんだろうなと感じました・・・と余談です。

まだ、これは救われた例で世の中には救われていない例の方がはるかに多いと思います。

例えば最終学年になってトップチームはリーグ戦に参加して遠征や合宿に参加しているけれども、セカンドチーム以下はなおざりにされていると感じている保護者や選手がいるのもまた事実です。

残念なことにそこでサッカーをやめてしまう選手などもでてきてしまうわけで、そういう受け口としても移籍というのは必要な手段だと考えるわけです。

40年前に遡り、私のいた少年団はすさまじい人数がいましたが、AチームからDチームまであり最高学年のゲームに出られるのはAとBで、CとDもちゃんと指導者がついて練習試合などを積極的にこなしていました。

そして大会の最中であっても、AからDまでの入替は頻繁にありましたし、スターティングメンバーは固定されておらず、絶えずチャレンジできる環境だったのがよかったと感じています。

あと、移籍というかU-12からU-15についてのことがあります。

U-12とU-15で同じ代表が運営しているチームがあり、そのU-15を選択せずに強豪のU-15クラブに入部した選手がいました。

その選手には弟が三人いたのですが、子供たちに影響があったのかはわかりませんが、両親は耐えず愚痴られ、保護者が大勢いるところでも「うちを見捨てるような選手が・・・」という表現をしたそうです。

U-12で自分が育てた選手だからと、同じU-15に来いという気持ちはわかりますが、チームの選択は選手にゆだねられるべきだと思います。

まあそんなところだと当時はそこそこ強かったチームでも凋落していくわけですが、その原因は監督やコーチ、代表にあったりします。

淘汰されていくのは必然なのですが、それもまた時間がかかることですし、たまたまJリーガーやJ下部にいくような選手が現れると、うちの子供ももしかしたら・・・と偶然を期待して入部したりするものですから・・・