カテゴリー: 審判のつぶやき

審判は安全で楽しいサッカーのためにいます

私もそうでしたが、プレーヤーとしてサッカーと向き合っている時に、審判をやる・・・というかやらされている時は、とてもではありませんが楽しむなんてことはできませんでした。

今はたまたまU-15などの試合を担当させてもらっていると、同じチームの審判担当で「あ、この子この間よりうまくなっている」とか、試合中にうまくなっているなんてことがあって、楽しむことができるようになりました。

そうなるまでに相当な時間がかかっているわけですが、プレーヤー時代でさえ私は守っていたことがあります。

それは、きちんとオフサイドを監視することと、ファウルの見極めをすることでした。

「自分がこうされたら嫌だ」とか「これは許されないファウル」「オフサイドラインについていないとストレスがたまるだろうなあ・・・」というのが、やらされた感満載ながらもなんとか審判をやっていた理由でした。

では、これから自分はどうやってそうしたプレーヤーがメインの審判をどうやって試合に向かせるかということを考えなければならないわけですが、これがまた難しいのは自分の例をとってみてもわかるわけです。

そのために原点に立ち返るためにもインストラクター資格を取得することができたのは、自分にとって良いきっかけになったと思います。

「安全に楽しくサッカーをする」そのために、選手は例えば執拗以上のチャレンジを相手競技者にしない、審判は安全に試合を進行するために何が必要か、気づいてもらうことが重要なのだと思っています。

インストラクターセミナーで他の区や他の方の取り組みを知ることができるのですが、その中にはヒントとなるものも多くありますし、参考にしたうえで目標をさらに高くする方法などというのもあります。

私は台東区からの推薦で、台東区サッカー連盟の役員としてもインストラクターとなったわけですから、まずは地区にそのフィードバックをしなければなりません。

少年部は審判を引っ張ってくれている人たちがいるため、その方々と話をしながら進めることができますが、成年部となるとまさしく「プレーヤー」ですから、普通に審判の話をしてみたって聞いてくれるはずがありません。

しかしながら安全に楽しく試合を行うために、審判としてのきづきが必要と思われるため、どういう声掛けを行うことができるかというところにかかってきます。

ここで幸いなのは、私は審判部の副部長でありながら、兼任で成年部の副部長も任ぜられております。

ですから審判部だけの目線ではなく、成年部の大会をスムーズにかつ成功させるための「審判の心得」を伝えていくことが可能だと感じています。

理事長もそこまで考えて私を成年部兼任としたわけではないでしょうが、結果としてなるほどいいポジションを任せていただいたと思っています。

少年部の審判については今年は座学を含めた研修会で、子供たちのための安全で楽しいサッカーをするための審判講座を行おうと思っています。

そして、できればその中から審判をする喜びを知ってもらえればと思いますし、もっと言えば上級を目指してみたいというお父さん審判が出てきてくれないかな?と思っています。

そのためにどうするか・・・というのは、これからの私の一生をかけた宿題なのだと思っています。

省みる心と、切り替える力

レフェリーを見ていて経験があるはずなのに、試合が荒れてしまいコントロールできなくなってしまうことがあります。

また、初心者では肝心な笛を吹くことができなかったり、適切なジャッジができなくなることで空回りしてしまうことがあります。

どちらも仕方がないことだと思っていますが、試合中になんとかリカバリしなければなりません。

また、失敗があったとしても次の試合以降に活かすことができればいいのですから、失敗を恐れて「恐いから審判をやらない」などと言わないで下さい。

あなたはきっと真面目な人なのですから。

ということで、不真面目代表の工藤です(いえ、冗談です^^;)

私は失敗した時にレフェリーでのミスを取り戻そうとか考えていません。

むしろ失敗したと感じても、次またミスをしないようにと切り替えをします。

これはキャラクターの特性であるかもしれませんが、子供のころからフォワードで得点をするのが役割だったため、シュートが一本外れたくらいで下を向いたり、考え込んだりせず、「よし、外れた、次!」のようにできたことが大きいのだと思っています。

仕事でもそうなのですが、失敗を恐れていてはそれ以上になることはできないと思っているので、この年になっても仕事でチャレンジをし続けています。

同じように審判だってチャレンジをしていかなければならないと考えています。

そのためにいつもより深く入って行ってカウンターとなって追いつかないとか、パス回しの真ん中に入ってしまってボールにぶつかるとか、そういうことは往々にしてあり得ます。

しかし、審判はなるべく近い位置で事象を見て、正しい判定をすることが必要なのですから、そうしたチャレンジはしていかなければならず、失敗をしたとしたならその事象を冷静に省みて、次に同じことをしないようにするためどうするのかを考えなければなりません。

精神状態に影響がないのでしたら、試合中に考えるのもいいかもしれませんが、それがもし次のレフェリングに響いてしまうのでしたら、試合後に考えてみることで次に活かすことができると思います。

あと、これは国際主審の受け売りですが、カードを提示する時、特にレッドカードを提示する時に、自身が興奮してしまっていてはいけません。

興奮したまま感情を見せた状態で退場を命じた場合、選手とぶつかる可能性もありますし、リスタート時に自身が興奮していることに気が付かず、その後のレフェリングが変わってしまったり、選手まで興奮してしまって試合が荒れることもあります。

ですから、カードを提示する時は深呼吸するくらいの気持ちで臨み、かつ遅すぎないタイミングで提示する必要があります。

この時に重要なのは「いうことを聞け!」とやるのではないということです。

選手としてフィールドに立った時、威圧的な審判というのがいますが、得てしてレベルが高くなったり、選手の年齢が高くなる(笑)とそういう審判はぶつかることが多くなります。

結果、試合をコントロールできずに荒れた試合になったりするわけですが、それは自身が結局落ち着いていられなかったからということもあります。

それがすべてだとは言いませんが、レフェリーは笑顔で、落ち着いてやることで、選手から信用を得ることができることがありますし、22人の中に通じるキーになる選手がいます。

その選手とうまくゲームを組み立てていくことで、ファウルへの予防であったり、楽しい試合への組み立てができるかもしれません。

一朝一夕にすべてがうまく運ぶことはないかもしれませんが、努力をし続けることでレフェリングの質が変わっていく可能性があります。

どうか、目の前の試合を一生懸命にこなして、まずは満足のできる試合を選手と一緒に作ってみましょう。

それが審判として「気持ちいい」という試合を経験することができるようになると思います。

新規2級昇格者の仲間へのエール

今朝、仲間からS2級合格したとの連絡をもらいました。

まだ若い審判ですから、今後さらに上級をめざして活躍することと思っています。

これからが楽しみです。

熊本の震災にあわれた皆様に、お見舞いを申し上げます。

微力ではありますが義援などという形でのご協力をさせていたいております。

また東京に避難された小学生や中学生について、東京都サッカー協会などを通じて練習参加の協力依頼が参っておりますので、今後順次対応とご協力をさせていただきたく思っております。

一日も早く、普段の生活に戻れますようお祈り申し上げます。

私自身S2級昇格をあきらめたわけではありませんが、厳しいことは重々承知しておりますがあがき続けます。

今年の12月にクーパー走で3000mに復帰できるよう体作りと、頭の準備をしていきます。

新米審判インストラクターでもありますが、まだ現役アクティブレフェリーとしてもう一度先輩たちに納得してもらえるレフェリングを心がけ、精進してまいります。