カテゴリー: 審判のつぶやき

お父さんレフェリーとのコミュニケーションにて

先日、あるクラブチームのカップ戦にお呼ばれして、インストラクターとしてのアドバイスと、自身でレフェリーをさせていただく機会をいただきました。
※写真と大会は関係がありません

その中で私がレフェリーをする際に、そのチームの審判の重鎮が「工藤さんの審判を見ておいてね!」とおっしゃったのです。

「えー!(苦笑)」と叫びながらも気持ちを引き締めて臨みました。

しかし、その後は別件の予定があり、スムーズに試合を運ぶことができたので、皆さんに少しだけアドバイスをさせていただいて次の現場に向かったのです。

そして数日前に、その大会に参加していたお父さんコーチ兼レフェリーの方々とお会いする機会があったのですが、あの時にきちんと皆さんが見てくれていたのだとうれしくなったのです。

それは、試合中に私が選手にかける言葉に対してでした。

小学校中学年の大会でしたので、当然ながら育成年代です。

その年代で手を出すようなプレーを少なくさせたり、無茶なアタックをさせないような声掛けが必要だと感じています。

そこで手を出さない、無茶なアタックをしないと覚えてくれれば、高学年になっても、中学生以上の年代になっても正当なプレーを行ってくれるようになります。

ですから育成年代の審判ほど指導を交えたレフェリングをしなければならないと思っています。

私は試合中に「手を出しちゃだめだよ」などと「事前に」選手たちに伝えるようにしています。

その反則が起きないように試合を進めるのがこの年代では重要です。

しかし、その言葉を無視したような無茶なアタックに対しては、きちんと本人と周りにも聞こえるように「どうしてそのプレーがいけないのか、どうするべきなのか」ということをわかりやすい言葉で説明するようにしています。

それは怒ったり叱ったりするのではなく、「諭す」という姿勢に徹するべきです。

たまに見かける審判の中には威圧的な方がいらっしゃいますが(誰?見た目で威圧していると言っているのは^^;)、特にこの年代ではそうではなくて諭して理解してもらうという姿勢が必要になります。

もし万が一「こら何してるんだよ!」などと声をかけられたとしたら、選手によっては委縮してしまいその後の育成に影響がでてくる可能性もあります。

そうではなくて、どうしてそのプレーがいけないのか、どうするべきなのかを落ち着いて伝えることにより・・・場合によっては選手と目線を合わせたうえで・・・その選手が同じ反則を繰り返さない、そういう試合の中での指導を行うことができるのだと考えます。

それをクラブのカップ戦で私のレフェリングを見ていた方々が気が付いてくれていて、それを自分もやってみようと思っていただけたのがたいへんにうれしかったのです。

そしてまた、自分のレフェリングを見に来てくださいと言っていただけたのですから、本当にありがたいと感じました。

インストラクターとしてまだまだ新米ですが、こうやって現場に少しでも足を運んで皆さんのやくに立つようなことができればと思っています。

私は台東区連盟の推薦を得て審判インストラクターとなったので、当然ながら東京都と並行して台東区の審判のためにいるのだと理解しています。

もちろん、アクティブレフェリーの仲間(といっても皆さん派手に年下ですが)のレフェリングをみてアドバイスができればとも思いますし、それは皆さんが現場に足を運んで!と言っていただければ、時間の許す限り現場へ行こうと思っております。

自身はまだアクティブレフェリーとしても活動しておりますが、審判インストラクターとして初心者やS3アクティブの皆さんの手本となるようなレフェリングや、アドバイスができるようになるため、今後も努力を重ねていこうと思います。

競技規則の変更はたいへんなことになりそうです

先日、競技規則伝達講習会に出ましたが、西村雄一さんが講師でした・・・

・・・・・ってことじゃない!!!

なんと今度の競技規則改編では93箇所が変わっています。

変わっていないのは・・・ボールのみ!

ということで、徹底的に競技規則を読み込まねばなりません。

オフサイドも見た目「違うじゃん!」と思われるものがあります。

例えば今までの競技規則では「オフサイドが起きた場所」からの再開だったのですが、これからは「オフサイドが確定した場所」からの再開となります。

具体的二例としては
1.戻りオフサイドで自陣に戻って攻撃側競技者がボールを受けた場合、攻撃側サイドからの間接フリーキックでの再開となります。
2.オフサイドが確定していない状態のルーズボールで、攻撃側競技者が追うか追わないかの判断がつかない状態から、急にボールを追いかけてオフサイドが確定した場合、ルーズな状態でオフサイドが起きた場所ではなく、追いかけてオフサイドが確定した場所となるため、守備側のゴール側にボールが進んでいる場合、ゴールに近い場所からの間接フリーキックでの再開となります。

あと、よく言われるペナルティーエリア内での三重罰ですが、基本的には従来と変わらないと考えていただいた方がいいでしょう。

警告対象となるのは「ボールにアタックしに行った場合」だけとなります。

ボールにいかず相手選手を倒してしまったり、ハンドリングで決定的な得点機会を阻止した場合には、従来と変わりなく退場が命じられ、ペナルティーマークからのキックで再開となります。

さらに困るのはゴールキーパーでしょう。

ペナルティーマークからのキックで、キッカーが蹴る前にゴールから飛び出した場合、警告が与えられることになりました。

つまり、二回飛び出すと退場ということになります・・・

ゴールキーパーの皆様、お気をつけあれ。

審判をフィールドの外から見てみる

積極的にフィールドの外から審判を見ているようにしていますが、見ていて思うのは少なくとも半数以上の方々が努力をされているなあというのが本音です。

もちろん試合は東京都所属のアクティブレフェリーが担当するものではなく、市区町村リーグや高校の地域で自主的にやっているようなものだったりします。

問題に感じるのはプレーヤーがそのまま審判を兼ねてしまう場合、特に副審ではやる気が見られない場合が多くありました。

しかしながら主審に関しては、成年のひどい人以外は自分なりに一生懸命にやろうという姿勢がみられるので、そういう人をどうサポートすることができるのか、どう説明するのかを考えてみるようにしています。

自分も当然ながら審判として初心者の時があったのですが、自身のプレーヤーとしての経験があったため、それほど難しくなくできたことと、自分がされたら嫌なことはしないため、審判としてまずは選手を見ようと考えていたためなのか、区リーグや都リーグ三部などでは納得をしてもらえるようになりました。

それと比較してみて、では目の前で審判をしている人は、どう試合の中に入っているのか、コントロールする必要のある試合なのか、等々インストラクターとしての目を養うべく、自分も努力していかなくてはなりません。

それにしても審判はやればやるほど奥が深いと思います。

観戦記で「今日の審判はクソ!」なんてのを見ると残念に思いますが、もう少しだけ審判に優しくなってもらえればなあと思います。

もちろんそう思われないようなジャッジメントが必要なのはわかりますが、むしろ審判は目立たなくてもいいくらいですから、そっとしておいていただければと思います。

・・・というか、クソとか言われるのは本当に残念でなりません。

「努力が必要」など柔らかく言っていただけると助かります。