全国地域サッカーチャンピオンズリーグ一次トーナメントが終わって

全国地域サッカーチャンピオンズリーグの一次トーナメントが終わり、以下のチームが決勝リーグに進むことになりました。

・三菱水島(全国社会人1位)
・ヴィアティン三重(全国社会人3位)
・鈴鹿アンリミテッドFC(全国社会人2位)
・FC今治(四国リーグ)・・・ワイルドカード=各グループ2位の中で勝ち点などの評価で最上位

大会の名前が示しているのは「全国の地域チャンピオン」のはずなのですが、グループ一位抜けしたのはすべて全国社会人トーナメントで出てきたチームでした。

東京では関東を制した東京23FCが出場していましたが、初戦のPK勝ち(90分以内勝利が3点、PK勝ちが2点、PK負けが1点の勝ち点方式)が響き残念ながら決勝リーグに進むことができませんでした。
※勝ち点5で最終戦に鈴鹿アンリミテッドFCと闘い、0-2で敗退して勝ち点5のままでした
PK勝ち以上が必要だったのですが、試合を見ている限り鈴鹿アンリミテッドFCにさまざまな面で負けていたように感じました。
極端な力の差はなくとも、結局地域決勝で三度目のチャレンジ(過去二回は東海チャンピオンとして出場、当時の監督は高木成太:FC鈴鹿ランポーレ)にて決勝リーグに進むことができたわけで、その執念というのもあったのではないかと思われます。

この大会で2位以内に入るとJFLに進出することができるわけですが、とうとう三重県にJと名のつくところに所属するサッカークラブが誕生する可能性が高いこととなりました。

個人的に思うのは、上記の二つのチームが合併して鹿児島のようにJ3に上がるだけの選手層と金銭的体力をつけてほしいと思います。

その意味で勝った方をJFLにし、負けた方はセカンドチームとして東海リーグに残るなどのことも考え、三重県にJリーグのチームを誕生させてほしいと思います。

M.I.Eランポーレ時代から鈴鹿を追いかけてきた私としては、それが三重に初のJリーグクラブ誕生になるのだと、そう考えています。

残念だったのはFC今治以外の地域チャンピオンでしょう。

北海道は毎回同じ顔ぶれとなってしまうのですが、コンサドーレ以外のJと名のつくところのリーグに所属できる本格的なクラブはまだ望むべくもないのか・・・と残念でなりません。

下部組織も含めて、コンサドーレのライバルとなり得るチームが存在することにより、離島とはいえサッカーの北の大地ができあがるであろうため、そちらの強化も願っています。

一番残念なのはFC刈谷でしょうか。

東海チャンピオンでありながら、グループ4位(3敗、PK負けの勝ち点1のみ)となり、同じ東海リーグの鈴鹿と三重が決勝リーグに進んでしまったことは、残念以外の何物でもないでしょう。

しかしながらここ数年を見ていると、地域チャンピオンが決勝大会ころには疲れ切ってしまっていて、今年がその最たる例になってしまいましたが、昨年のラインメール青森と同様、全国社会人トーナメントからの出場チームが勝ち残ってしまう、ある意味この時期にピークを持ってきて全国社会人に賭けるというようなチームが今後も現れてくるのではないかと思っています。

ですから東海リーグでは圧倒的な強さを誇ったFC刈谷でしたが、残念ながらそのピークを地域決勝に持ってこられなかったのは後悔というものではすまないのではないでしょうか。

今月25日から市原のゼットエーオリプリで決勝リーグが行われますが、果たしてどのチームがJFLに昇格するのかを興味深く見ています。

特に三重県から初のJのつく場所へ・・・叶うのかどうか見届けたいと思います。

dsc_0072

dsc_0062

審判の笛について

審判に欠かすことのできないものの一つに笛というものがあります。

たくさんの笛がありますが、ここでは私が通常見聞きするものと、最後に私のお気に入りの笛を紹介します。

Jリーグで使用されているのはmoltenのバルキーンです。

私は持っておらず、今後買おうかな?とは思っていますが、4500円ほどするものですのでここ!という時に使う笛なのかな?と自分では思っています。
音は素晴らしいと思いますし、アクティブレフェリーでバルキーンを持っていると「おお~」という感じでしょうか。

最近はコルクレスが主体になっていますが、私が過去にやっぱりいいなあと思ったのは、葛飾区にある「野田鶴声社」のホイッスルでした。

写真は2002年の日本と韓国で共催したワールドカップの記念モデルですが、ワールドカップでも使われてきたホイッスルはとても甲高く澄んだ音で、世界一のACME社から製造を依頼されたのも納得の一品です。

そもACME社といえば、映画「タイタニック」で船員が吹いていた笛の製造会社でもあります。
もちろんレフェリー用のコルクインタイプのホイッスルもいい音でした。

老舗メーカーの音を楽しむにはぜひという製品です。

そして、どちらを使っている審判が多いのか?という一方がmoltenのドルフィンです。
私もこれを使うことが多くなっていますが、通る音が素晴らしい一品です。

写真はKPという咥える部分にゴムがついているタイプのものです。

もう一方はモルテンのFOX40です。
私も一時使っていましたが、少し小さいため(私の手が大きいという方もある(笑))現在は使っていません。

しかし、音は良いと思いますし、モルテンというのはいい笛を売っているなあと感じます。


そして最後に私が愛する一品ですが、老舗メーカーであると紹介したACME社のTornado 2000です。
UEFAでも使われていたもので、東京都サッカー協会の牧野委員長が指導部でインストラクターをなさっていた際、私のTornado 2000をみつけて「吹いたことないやつだね。どんな音か吹いていい?」と言っていただいた品です。
tornado2000
とても通る笛ですし、なにより持っている人が少ないので、隣り合ったグラウンドがある場合には、まずかぶることがない笛です。

グラウンドが隣り合っている場合、笛を変えることによって隣のグラウンドの笛と間違えないように、審判同士が「どの笛を使う?」なんて相談をしたりします。

今年の東京カップの清瀬内山で、元Jリーガー審判の御厨さんとも清瀬内山で「なに使います?」と相談をしました。
※彼はバルキーン、私はTornado 2000にしました

ところがこのTornado 2000なんですが、日本では入手困難でAmazonでも売り切れが続いている状況です。

なので、そのうち米国から仕入れて売ってしまおうかなどと考えていたりします(笑)

本当にいい音ですので、おすすめです。

お父さんレフェリーとのコミュニケーションにて

先日、あるクラブチームのカップ戦にお呼ばれして、インストラクターとしてのアドバイスと、自身でレフェリーをさせていただく機会をいただきました。
※写真と大会は関係がありません

その中で私がレフェリーをする際に、そのチームの審判の重鎮が「工藤さんの審判を見ておいてね!」とおっしゃったのです。

「えー!(苦笑)」と叫びながらも気持ちを引き締めて臨みました。

しかし、その後は別件の予定があり、スムーズに試合を運ぶことができたので、皆さんに少しだけアドバイスをさせていただいて次の現場に向かったのです。

そして数日前に、その大会に参加していたお父さんコーチ兼レフェリーの方々とお会いする機会があったのですが、あの時にきちんと皆さんが見てくれていたのだとうれしくなったのです。

それは、試合中に私が選手にかける言葉に対してでした。

小学校中学年の大会でしたので、当然ながら育成年代です。

その年代で手を出すようなプレーを少なくさせたり、無茶なアタックをさせないような声掛けが必要だと感じています。

そこで手を出さない、無茶なアタックをしないと覚えてくれれば、高学年になっても、中学生以上の年代になっても正当なプレーを行ってくれるようになります。

ですから育成年代の審判ほど指導を交えたレフェリングをしなければならないと思っています。

私は試合中に「手を出しちゃだめだよ」などと「事前に」選手たちに伝えるようにしています。

その反則が起きないように試合を進めるのがこの年代では重要です。

しかし、その言葉を無視したような無茶なアタックに対しては、きちんと本人と周りにも聞こえるように「どうしてそのプレーがいけないのか、どうするべきなのか」ということをわかりやすい言葉で説明するようにしています。

それは怒ったり叱ったりするのではなく、「諭す」という姿勢に徹するべきです。

たまに見かける審判の中には威圧的な方がいらっしゃいますが(誰?見た目で威圧していると言っているのは^^;)、特にこの年代ではそうではなくて諭して理解してもらうという姿勢が必要になります。

もし万が一「こら何してるんだよ!」などと声をかけられたとしたら、選手によっては委縮してしまいその後の育成に影響がでてくる可能性もあります。

そうではなくて、どうしてそのプレーがいけないのか、どうするべきなのかを落ち着いて伝えることにより・・・場合によっては選手と目線を合わせたうえで・・・その選手が同じ反則を繰り返さない、そういう試合の中での指導を行うことができるのだと考えます。

それをクラブのカップ戦で私のレフェリングを見ていた方々が気が付いてくれていて、それを自分もやってみようと思っていただけたのがたいへんにうれしかったのです。

そしてまた、自分のレフェリングを見に来てくださいと言っていただけたのですから、本当にありがたいと感じました。

インストラクターとしてまだまだ新米ですが、こうやって現場に少しでも足を運んで皆さんのやくに立つようなことができればと思っています。

私は台東区連盟の推薦を得て審判インストラクターとなったので、当然ながら東京都と並行して台東区の審判のためにいるのだと理解しています。

もちろん、アクティブレフェリーの仲間(といっても皆さん派手に年下ですが)のレフェリングをみてアドバイスができればとも思いますし、それは皆さんが現場に足を運んで!と言っていただければ、時間の許す限り現場へ行こうと思っております。

自身はまだアクティブレフェリーとしても活動しておりますが、審判インストラクターとして初心者やS3アクティブの皆さんの手本となるようなレフェリングや、アドバイスができるようになるため、今後も努力を重ねていこうと思います。