12月3日、味の素スタジアムでFC東京と東京武蔵野シティFCの練習試合が行われました。
そのレフェリーに立ったのは、拙Blogでも紹介したことのある御厨貴文さんでした。
【紹介記事】FC東京と東京武蔵野シティFCの練習試合は主審がサプライズ!? なんとレフリーは御厨貴文さん(2016/12/03)-タグマ
【拙Blog】Jリーガーからレフェリーへ!
Jリーグのトップレベルでのプレー経験がある御厨さんのレフェリングを見ることはできませんでしたが、当日にプレーヤーとして参加していた選手に感想を聞くことができましたが、「選手の気持ちや、プレーの強さを理解してくれる元Jリーガー審判がもっと生まれてほしい」というもので好評だったのだと思います。
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Jリーグのレフェリーのレベルがどうこうというわけではないのですが、プレーヤーとしてはそのベースにあるサッカー経験が気になることもあるのは事実です。
プレーレベルに応じた危険なファウルを察知することができるのかというのは、重要なファクターになると思っています。
例えば、私が経験したものではボールを保持してドリブルをはじめ、あと数歩でトップスピードという前傾姿勢の時に、「トン」と背中を押されただけで前方へ転倒の危険性があります。
しかしながらレフェリーはサッカーコンタクトだと認識してファウルにしない場合、私はストレスがたまることになります。
実際に私は転倒しそうになり、相手選手へ「危ないじゃないか」と言いましたし^^;
ところが相手競技者もレフェリーがファウルとしないのですから「危ないだろ」と言ったとしても「レフェリーが取ってないんだから問題ないんだよ」となります。
ですが、意図を持ったファウルであるのは事実であり、無謀に行った場合には警告が示されることになります。
そうしたある程度レベル以上のプレーヤーとしての経験が、レフェリーにはない方がまだまだ多いため、そうした経験を持ったレフェリーを増やしていくのも日本サッカーには必要なのだと感じます。
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先ほどのプロサッカー選手の話で、気になることがありました。
「指先で押したとしても、ボディコンタクトになるので厳密に言えばファウルになる」と言っていました。
その時は時間がなかったので説明ができませんでしたが、指先でチョンと押すくらいでは「直接フリーキックとなる反則」にならないのは、競技規則に書かれています。
競技規則のP.81を見てみましょう。
ファウルと不正行為
12条
ボールがインプレー時に反則や違反があった場合にのみ、直接、間接フリーキックまたはペナルティーキックを与えることができる。
1. 直接フリーキック
競技者が次の反則のいずれかを不用意に、無謀に、または、過剰な力で犯したと主審が判断した場合、直接フリーキックが与えられる:
• チャージする。
• 飛びかかる。
• ける、またはけろうとする。
• 押す。
• 打つ、または、打とうとする(頭突きを含む)。
• タックルする、または、挑む。
• つまずかせる、または、つまずかせようとする。
身体的接触を伴う反則が起きたときは、直接フリーキックまたはペナルティーキックで罰せられる。
• 不用意とは、競技者が相手に挑むとき注意や配慮が欠けていると判断される、または、慎重さを欠いてプレーを行うことである。懲戒処置は必要ない。
• 無謀とは、相手競技者が危険にさらされていることを無視して、または、結果的に危険となるプレーを行うことであり、このようにプレーする競技者は、警告されなけれ
ばならない。
• 過剰な力とは、競技者が必要以上の力を用いて相手競技者の安全を危険にさらすことであり、このようにプレーする競技者には退場が命じられなければならない。
ここに書かれているのは、直接フリーキックになる7つの条件です。
「チャージする」「とびかかる」「ける、またはけろうとする」「押す」「打つ、または打とうとする」「タックルする、または、挑む」「つまずかせる、または、つまずかせようとする」
先ほどの「指で押す」というのは「押す」という部分に当たります。
しかし、ファウルの判断では、それらが「不用意に」「無謀に」「過剰に」行われたときに直接フリーキックが与えられることになりますので、「指でチョンと押す」という行為は「直接フリーキックとなる反則」になることはありません。
厳密に言えば「反則」であるとも読み取ることはできますが、直接フリーキックとなる反則ではないため、試合には影響を与えることのないボディーコンタクトが問題ないのは議論に値しないため避けますが、彼の意図しているであろう「反則」とは試合に影響を与える反則と言葉の中で読み取ることができたので、競技規則に書かれているものは違いますと伝えたいと思います。
・・・ので、関係者の皆さん彼に伝えてあげてください^^;