このエントリーは自身がレフェリーをしていること、インストラクターをしていることを無視して、サッカーを見るという観点からのみ書いています。
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試合の規模や大会によって、審判のレベルが変わってくることになります。
国際試合では国際審判員が、その国の国内リーグでは国内最高峰の審判が、地域リーグの場合には地域所属審判員が、都道府県リーグの場合には都道府県リーグの審判がそれぞれ担当することになります。
そして、審判員というのは一つの試合で最低三人で構成をされます。
U-12の40分から通常の90分まで、それぞれ試合時間が設定されていますが、審判員にはその試合の中で基準を一定にしていなければなりません。
しかし、その基準が一定ではないと思われたとき、試合が荒れてしまったり、不利だと思われる側の選手やコーチがクレームを言ったりとなってしまいます。
当然ながら不利だと思うだけの材料が散見されるようでしたら、審判はその責を負わなければなりませんし、なによりも試合の結果を含めて最終となる主審の判断は、クレームをつけようがなにをしようが覆ることは基本的にありません。
ですが、誤審や不利だと思われる判定については、その理由がはっきりと第三者にも見えるようであれば、審判員は猛省するべきではないかと思うのです。
審判員としてはたった一回の誤審だった、もしくは判断の間違いだったとしても、もしかしたら負けた方にとっては人生が変わるチャンスだったかもしれないのです。
ですから審判員はそれだけの覚悟をもって試合に臨むべきだと思います。
それがプロフェッショナルの世界であれば当たり前のことです。
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私たちが通常担当するアマチュアサッカーでさえも、もしかしたら人生を左右することがあるかもしれません。
都道府県レベルであったとしても、Jリーグを目指すようなチームもあるわけですし、この一戦の勝敗が来年の地域リーグ、その次のJFLやJリーグへとつながることもあるのです。
そのため、アマチュアのレフェリーであったとしても、その覚悟で行うべきだというのは普通のことだと思っています。
そこを特に主審担当者は理解をして、試合に臨む必要があるのではないでしょうか。
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その反面・・・とでもいえばいいのでしょうか、監督やコーチ、選手から審判へのリスペクトが足りないと思うことも多々あるように感じています。
いまだに「ライマン」という言葉が蔓延しています。
ラインズマンの意味は「ラインを監視する人」であるわけですが、現在のサッカーではラインだけを監視するわけではないということで「アシスタントレフェリー」となっています。
つまりは、レフェリーの監視をお手伝いする人であったり、ベンチへのコントロールを行うべきであったりと、レフェリーが任命するべきアシスタントであるということなのです。
ところが、選手の中にはオフサイドラインとボールを触った場所が違う(走っているのですから、場所がずれるのは当たり前です)といってはクレームをしたり、近い距離でのタッチアウトに対して当たっている当たっていないでクレームを言ったりと、残念ながらリスペクトに欠ける競技者や役員が相当数いるというのは事実であり悲しいことだと感じています。
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昨日のクラブワールドカップにおいて、レフェリーに思うことはあります。
しかし、試合の結果を含めて最終であるレフェリーの判断に従わなければならないわけですし、「たられば」は通用しないのですから今何かを言ったとしても変わることはありません。
もちろん審判レベルの向上はグラスルーツからトップレベルまで向上させなくてはならないと思っていますが、それはサッカーをプレーする人、見る人すべての人にレフェリーもリスペクトしてもらわねばレベルの向上を果たすことはできないと考えます。
誤審単体には厳しいことがあったとしても、レフェリーには責めを負わせないでいただきたいと願う次第です。