自分もレフェリーとしてグラウンドに立った時、必要なときには笛を吹くことがあります。
できれば吹きたくはないのですが、吹かなければならない時というのは必ず試合中に起こります。
もっというと本当に選手にとっても審判にとっても「今日の試合は良かったなあ」と思うのは、もしかしたら笛の少ない試合かもしれませんが、それでも必ず笛を吹くことは間違いがありません。
そりゃキックオフは吹くに決まっているだろとおっしゃられるかもしれませんしね^^;
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笛を吹かなければならないシーンはいくつかあります。
ファウルがあってプレーを続けることを決めた時(アドバンテージ、プレーオン)ではない場合には、試合を止めるために笛を吹きます。
この際に、レフェリーとして経験が少ないと吹いていいのかわからずに、吹くタイミングを逃して吹けなくなってしまうことがあります。
私としてはこれが一番よろしくない結果を招くと思っています。
ファウルを受けている選手の立場として笛を吹いてほしい時に吹いてくれない主審というのは、その後結果として選手の信用をもらうことができません。
もちろんその後に攻撃側に有利になると判断してアドバンテージを採用した場合は別ですが、ファウルをきちんとファウルとして認識されていないと選手から思われてしまっては、試合進行の妨げになることを自分から作ってしまうことになります。
しかし、よくプレーオンを積極的にかけなさいとか言われるんだけれど・・・と言う意見も聞きます。
当然その通りではあるのですが、プレーオンにならないものをファウルとして笛を吹かねば、そのファウルはなかったことになってしまうのですから、必ずファウルであることを示さなければなりません。
ファウルを結果として流してしまうようなことになってしまうと、ファウル判定の基準が下がってしまい、あれもこれもファウルとして判定がしづらくなります。
そうすると、その時よりももっと後になればなるほど笛を吹きにくくなるのです。
ですから試合中で重要になってくるシーンの一つに「ファーストファールの笛」というものがあります。
それは主審から「今日はこれくらいのファウルの時に取るよ」という意思の表れだからです。
その基準を試合最後まで保つのは難しいかもしれませんが、それがその日の主審の基準なのですから、自分でその基準を理解して適用をしていかなければなりません。
さっきの笛を吹かなかったときは、その基準が極端に下がってしまい、あるシーンでファウルをしてしまうと選手やベンチから「さっきのファウルは取ってないじゃないか」と言われることもありますので、だからこそファーストファールはきちんと基準を示すために吹いておかなくてはなりません。
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まだ経験の少ない審判の方は、極端な話ですが吹きすぎてもいいくらいだと思います。
選手に怪我をさせるよりはましだと思いますし、いきなり大学や社会人の一部リーグの笛というわけではなく、たぶんグラスルーツの試合でしょうから吹きすぎたとしても、基準を少しずつ変えていくことができればいいのだと思っています。
当然ながら最初からうまく主審をつとめられる人などはいないわけで、私のように20年以上審判としてやっていても納得する試合などというのはほんの少しにしかならないほどです。
元に戻して、笛を吹きすぎたとしてそれをレフェリーとしてどう感じるかというのが重要です。
その時に選手がフラストレーションをためていませんか?
続けさせてよ~と声がでていませんか?
そういうシーンを覚えておいて、次の試合をその試合よりもよいものにしてもらえばいいのです。
前にある年代の審判をしていた時に、私は基本的に育成の高等教育年代である場合、できるだけプレーを続けさせてあげたいと感じているのですが、その試合の選手の一人が「今日の審判はファウルを取らねえぞ」と大きな声で味方に対して「あんまりファウルを取られないから結構深くいってもいいぞ」と言ったわけです。
その後、プレーが止まった際にその選手に対して私は「ファウルを取らないんじゃなくて、取るべきファウルは間違いなく取るよ」と悪魔の微笑みをしたのです(笑)
そうしたらその選手は「ああ・・・」と目をパチクリさせていましたが、勘違いをさせないためにそういう試合中の声というのも一つ必要になってくるときもあります。
笛で示すこともあれば、言葉で示すこともありますが、まずはファウルを笛で示してみることをしてください。
その笛を吹くことができなくて、もし万が一怪我をするプレーヤーがでるようなことがあれば、その後審判をしたくなくなることもあるかもしれません。
笛を吹く度胸をぜひ持ってください。
初めまして大塚と申します
大阪で少年サッカーのボランティア指導と審判をしております
今回の記事とても励みになりました
今後も拝見させて頂きます。
大塚さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
こんなブログがお役に立つなら、いくらでも見てやってください。
グラスルーツが豊かになれば、自然と上もアップするのだと信じて、私もサッカーに取り組んでいきます。