もちろん私は日本のサッカーを愛していますし、強くなって欲しい、勝って欲しいと願っています。
しかし残念ながら選手や協会の発言と、実績が伴っていない段階で「メダルを取る」などと気軽に言える神経が理解できていませんし、その言葉を真に受けて「メダルを期待します」というマスコミに嫌気がさします。
例えばオリンピックニ連覇を果たした北島選手のように実績があれば「金メダルを狙います」と言っても、その言葉には重みがありますし、自分へのプレッシャーになることも理解して発言しているはずです。
サッカーであれば国際ユースで準優勝したメンバーが多く残っていた時のオリンピック代表が「メダルを」と言っている分にはなるほどと感じることもありましたが、今の世代というか最近の日本代表も含めてですが自分達を過大評価しているのか、それともマスコミが勘違いさせているのかと思ってしまいます。
賛否両論あるでしょうが中田英寿氏が現役の頃さんざん「こんなんじゃだめだ」と言ってきました。
それをネガティブだとマスコミがはやしたて、中田氏を悪者に仕立てようとした時期があります。
私は世界で最も実績を持った日本人選手の言葉と、国内だけで持ち上げられている選手とを比較しましたが、どうやっても世界での実績が間違いなく「正しい言葉」でしたし、今もその言葉は生きていると思っています。
ですがどうも最近の日本代表以下のカテゴリは、その実績が伴わない状態でビッグマウスになっているのではないかと考えています。
もっと自分達の実力を謙虚に受け止め、冷静に判断をし、その段階で何をするべきなのかを考え実績を作っていけばいいのだと思うのですが、残念ながらそれをできないのは興奮しやすいマスコミがいるからということもあると思います。
今では「日本はワールドカップに出て当たり前」というような風潮がありますが、これは約束されたものではありませんし、特に中東各国は原油高のおかげで世界中から選手をかき集め次々と帰化させたり、国内リーグを強くするための努力をしています。
そんな状況の中で楽観的に「いいドロー」などと言えるコメンテイターやマスコミにははっきり嫌気がさしてしまいます。
日本がもっと強くなるためには、まず謙虚にその大会(目の前の一試合では勝ち抜けない)でどのような戦い方をすべきなのか、選手個人はどうすべきなのかを考え、冷静に自分達の実力を判断していただきたいものだと思っています。
そしてそれができれば日本代表は間違いなく勝つだけの力があるのだと信じているのですが、どうもその部分がビッグマウスなどでかき消してしまっているのではないかと思っています。
北京オリンピック初戦の米国戦には勝てるだろうという楽観的な観測は、見事にはずれたということを応援する側も考えるべきでしょう。
先のエントリーでもありますが、私は米国にも勝てないとサッカーライターの森本氏に申し上げました。
その予言が見事に当たったわけです。
実力では決して劣っていないと思っていますが、「メダルを」という発言が全てではないかと思っているわけです。
メダルを取るためにはゴールを狙うしかないわけですが、二試合で一点しか取ることができていないのが現状なのです。
応援する側も冷静に、そして熱く応援するべきでしょう。