大人になってから審判を始める多くの方々は、お子さんがサッカーを始めたからという理由でという方が多いと思います。
私はそうではないスタートなのですが、審判仲間の多くにはそういう方がいっぱいいらっしゃっていて、そういう方がU-12年代を支えているのだと感じています。
多くはお父さん審判とかけもちだったり、チームとして審判が必要だから止む無く4級審判員を取得して子供のために仕方がなく審判をしているというのが実情だと思います。
しかし、それはたいへん貴重な経験であり、子供たちの成長の一翼を担っているのです。
でしたらぜひ、もう少しだけやってみませんか?と思うのです。
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審判資格を取って真剣にはじめると最初の壁にぶちあたります。
それは「ジャッジする」ということになります。
走るのはまあ30代から40代前半ですから子供よりは走ることができるでしょうから、ジャッジ・・・つまり判断をゆだねられるということに慣れていないこと、競技規則をきっちり頭に入れていないことにより、ジャッジができないという方を見ます。
確かに倒された、足で蹴った、こういう場合は・・・と、笛は吹くけれども再開方法がわからない、果たしてこのタイミングで笛を吹いていいのかわからないというのが次々と起こり、そのまま流してしまってベンチからは「何やってるんだよ!」と言われたり・・・どんどんやる気をなくしていくことでしょう。
しかし、そこにめげずに競技規則を開いてみると、そこには「正しいこと」が書かれているのです。
こういう状況では何をしたらよいのか、どう対処するのか、ファウルであっても攻撃側が有利なら・・・などなど、実は競技規則の後ろの方にはそうした参考事例が多く載っているのです。
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あとは、他の・・・特に先輩審判のジャッジする姿を多く見ることが参考になると思います。
子供たちへの声かけ、ファウルへのきちんとした対応、違反をおこした競技者への注意、ファウルを受けた競技者との対話・・・などなど、いろいろなものを目撃することになると思います。
その一つでいいから、次の試合であなたが重点項目を設けてやってみることが審判としての次のステップとなります。
私は主にU-15以上の審判をしているため(主戦場はやっぱり一種[大学、社会人]、二種[高校年代]ですし)、実はグリーンカードなるものは数年前まで出したことがなかったのですが、地元のフェスティバルでU-12を担当させていただくことがあり、その際に小学校2年生の競技者にグリーンカードを出したことがあります。
初めての経験でしたがその照れた笑顔にその競技者の未来が少し明るさが増したのと、周囲の「よかったねぇ~誉められたよ」という自信になる言葉が彼を成長させる小さなきっかけになったと感じています。
こういうのも別の現場で見ていたからこそやらなければいけないと思った次第ですし、U-12年代特有の誉めて伸ばすという部分で必要なものであると思ったのです。
これは先ほど書いた他の審判を見て学んだものであり、いつかやってみよう(U-12の経験は少ないので次というよりはいつか)となった結果からの回答であり学びの中から得たものとなります。
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審判をやっていくに従い、正しいジャッジなどを求められていきます。
しかし、最初からすべてを求められるのはまた違うことだと思います。
そのためにU-12年代はそれぞれの年齢で区切られており、その年代ごとに審判のレベルを上げていくことができればいいのだと思います。
極端な話、お父さん審判が自分の子供が6年生になった時、「かっこいいお父さん審判」となることができれば大成功だと思うのです。
さらには上を目指したくなれば、お父さん審判から1級審判員になった人もいます。
そこまで最初から目指す必要はないかもしれませんが、お父さんとしてピッチに立つのですから、子供たちの成長のためにも競技規則を学び、他の人から学び、選手たちから学んで審判としての質を高めていっていただきたいと願います。