日本水泳が危機である。
日本の競泳チームは契約の関係上、MIZUNO、asics、デサントの水泳着を着用しなければならないわけであるが、さんざんワイドショーなどでも取り上げられている通り、SPEED社の水泳着が優れているようでタイム差が相当あるようだ。
このまま行っては間違いなくオリンピックで惨敗することは必至と見られているわけだが、この三社が5月末までに新素材を開発、投入しSPEED社に対抗するのはほぼ絶望的である。
これら日本の三社は自社のプライドがあるのかもしれないが、残念ながら惨敗してしまえば当然ながら消費者も「なんだSPEEDのがいいじゃん」とそっぽを向かれる可能性だってあるし、一部商品不買などの抗議行動にでるやもしれないようなことなのだ。
そしてどうしても日本製で・・・というのであれば、実はとっくに開発されている水泳着素材がある。
山本化学工業が発表しているものがそれである。
http://www.yamamoto-bio.com/yamamoto_j/sports.html
“魚の泳ぎに学んだ水着を開発”とは、サメ肌水着がでたときに「つるつるよりもすげぇんだ」と思ったものだが、さらに上を行くものを作ったということなのだ。
この製品もワイドショーなどでとりあげられていて、山本化学工業も「どうぞ使ってください」と日本メーカーに呼びかけているわけだが、メーカー各社のプライドがずたずたになるためまだどこも採用を決めていない。
だが惨敗してイメージが悪くなるよりも「国産水着を共同開発」かなんかでぶち上げて、さらに勝つことができれば日本メーカーの威信も保つことができるだろう。
むしろやっかいなのは山本化学工業が国外メーカーと提携し、それこそSPEEDと対抗するようなメーカーが発売してしまえば、当然ながら日本メーカーのプライドもなにもなくなってしまうだろう。
この会社であるが聞いたことがない会社ではあるのだが、ウエットスーツなどで有名な会社のようで、昔ダイビングのインストラクターをしていた従兄弟が知っていたくらい「知る人ぞ知る」会社のようである。
◇
サッカーなどではウエアの素材そのものでどうこうなるわけではない(余程トップレベルでない限り)のだが、水着はそのまま肌と水の間に入るものであるため、当然ながら重要なファクターとなる。
男子の競泳選手が全身タイツのように黒いスーツで覆われるのもまた不気味ではあるが、しかしこれは私が若い頃に「スポーツウエアはこうなる」というもので読んだことがあるものなのである。
筋肉を締め付け、空気抵抗や水の抵抗を減らし、疲れを軽減させかつ汗も蒸発させる・・・そんなボディスーツが未来のスポーツウエアなんてものであったが、水泳着はまさしくそうなったということなのであろう。
そういえば今年NSP CLUBでユニフォームを購入したのであるが、とにかく軽く、汗もすぐ乾かすので、疲れが軽減するという作用がある。
素材の進化というのはここ数年でもの凄く進んだわけであるが、その研究はナノテクノロジーと呼ばれている。
ただし安全性が全部保障されているわけではないので、なんでも新しければいいということではないらしい。