声の質

たまにはまじめにコーチングのことでも書いてみましょう。

社会人の監督としても悩んでいるのが、なによりも声がでていないと感じることが多いのと、声がでていたとしても意味のないものが多いと思うことがあるのです。
声の質・・・というかそもそもこれはコミュニケーションのことなのですが、あなたは味方選手とのコミュニケーションの際、コーチングではなく「文句」を言っていませんか?

「俺によこせ」「(なんでもかんでも)足下にしろよ」なんてのは大人でもよく聞かれることですが、これを少しだけでも丁寧にしてみると、それだけでコミュニケーションが変わってきます。

「そこから左前!足下に出して!!!」でもいいですし、「左前!」と言って後に「サンキュー!」といえば、当然ながらパスを供給した選手との良いコミュニケーションを取ることが可能になります。

そして良くあるのが試合中に罵声が飛ぶというやつです。
「なにやってんだよ!!!!」
といってみても、実際は何も始まりません。

そりゃその選手は上手なのかもしれませんが、残念ながら同じチームに失敗をする選手もいれば、自分の望んでいるスキルを全員が満たしているというのは、アマチュアでは少ないのではないでしょうか。
まして三部や四部レベルであれば当然のことでしょう。

そんな時に罵声をとばされたとしたなら、当然ですがその選手はチーム、下手をするとサッカーそのものを嫌ってしまうことさえあるわけです。
言われた選手にしてみれば「だったらあんた一人でやっていな」とでも言いたくなることだってあるでしょうし、実際に試合途中に喧嘩をした例も審判をしながら見たことさえあります。

後ろからの声・・・コーチングも当然ながらそれで変わってくることさえあります。
通常は必ず周りや後ろが「フリー」とか「ターン」とか「マノン」「背負った」などかけるわけですが、これが良く聞こえかつ相手も理解すれば、当然ながらプレーの質や精度が変わってくるのは当然のことです。

パスをもらった選手には大抵相手の選手が寄ってくるわけですが、余裕がない選手の場合はそのコーチングで余裕さえ生まれてくるようになるわけです。
みんながみんなプロじゃありませんからたった一言でいいですから「戻して」でも「逆サイ空いてるよ」でも余裕を持つ言葉をコーチングすれば、練習どおりのプレーどころかもっと精度の高いプレーになる可能性さえあるわけです。

ところがどうもフィールドの中を見ていると、そんな雰囲気なんかできていないどころか声がないとか罵声しか聞こえないなんて試合がそれこそ山のようにあるわけです。
(当然ながらベンチからの声も同様だと思います)

それから声をもらった選手もその言葉を真摯に受け止めなければならないのですが、残念ながら全く聞かない選手というのもこれまた存在します。
必ず言い訳から入るとか、自分はこう思うだとか言い返すのですが、それを続けられては声を出した人だってそんな選手とはコミュニケーションを取りたくなくなってきます。
特に前線に多いのですが・・・

私も今から10年前はそれなりに活躍できていましたから言うのですが、FWはキャラクターによるものだと思っています。
どちらかといえば私は心に響いたコーチングに対しては「OK」とシグナルを返したり、そのコーチングに対しての確認をすることが多かったと思っています。
しかしそれが自分にとっては違うものであったり、できようはずもないものだったりすると感じたときは、聞いてはおきますが「わかった次がんばる」などと濁し、そのプレーをしないということもありました。

なんせFWってのは点とってなんぼという世界ですから、切り替えが速くなくてはやっていられません。
枠外にシュートをはずしたとしても、次は入れたる!くらいの気概がなければ無理なわけで、私なんか試合が終わるまで振り返ることはしません(笑)
そんな暇があれば、シュートするための体の入れ方や、突破のことを考えるわけで、ボールを供給してくれる選手とのコミュニケーションを図ろうとするのです。

罵声と書きましたが、危ないプレーへの注意は当然必要です。
非常に危険な位置でドリブルをはじめてカットされ、カウンターになった時に「そこじゃなくてもう少し前でお願い」とか「後ろでも良かったよ」と注意をしたり、他のアイディアを出すというものは必要でしょう。
むしろこれがなければ、また同じことをして危険な時間帯を作られることもあると思われます。

あなたは試合中に意味のある声を出していますか?
一度振り返って自分のプレー中を考えて見ましょう。

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